
「ヘアブラシ」は、その起源が判明しないほど古くから存在します。
現在でも、多くの女性のヘアケアとスタイリングのためのアイテムとして使用され続けています。
ヘアブラシは、うまく使うと髪と頭皮の健康を美しく保つために役立てられますが、使い方や選び方を誤ってしまうと逆効果になりかねません。
現在、抜け毛や薄毛に悩む女性ならば、ヘアブラシの正しい選び方と使い方をマスターすることが大切ではないでしょうか。
ヘアブラシを正しく使うことで、薄毛予防効果、育毛効果も飛躍的にアップします。
きょうはそんな「ヘアブラシ」について髪の毛を守る美容師目線で書いていきたいと思います。
ヘアブラシを選ぶ時の参考にしてもらえると嬉しいです。
ヘアブラシを使う目的、効果は?

また、頭皮のバリア機能を高めるために「皮脂」が分泌されますが、この皮脂は自分の体内で作られた害のない「天然の化粧水」のようなものです。
頭皮を守るのはもちろんのこと、ヘアブラシを使用することで、髪の根元の皮脂が髪全体に行き渡り、コンディショナーやリンスのような役目もしてくれます。
最後に、ヘアブラシの育毛に対する大きなメリットとして「マッサージ効果」があります。
柔らかいブラシで髪をとかすと、心地よい刺激が頭皮を刺激し、血行を促進させるというメリットもあります。
毎日なんとなく使っているヘアブラシに、これだけのメリットがあることを知らない女性も多いのではないでしょうか?
ヘアブラシの種類と特徴
ヘアブラシは、いくつかのタイプに分類できます。
- コーム(クシ)タイプ
- 楕円タイプ
- パドルタイプ
- 変形タイプ
この中で1の「コーム(クシ)」は、愛用者も多いかもしれませんが、抜け毛・キレ毛・薄毛の予防と改善には不向きです。
2の楕円形は、古くからある定番の形で、頭皮と髪に負担をかけないヘアブラシとして知られています。
3の「パドルタイプ」とは、台座とピンの部分が大きな四角形をしていて、ペット用のブラシでよく見られる形状です。
もちろん人間でも使えますし、最近ではこのタイプに性能の良いものが多く、女性のからんだ髪にダメージを与えず、頭皮をマッサージをする効果があります。
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4の「変形タイプ」とは、ハンドル(本体)部分が特殊な形状をしていて、頭皮と髪に当たる角度が鋭利にならないように工夫されています。
そして次に、「素材の分類」です。
大切なのは「台座」と「ピン先」で、この部分にどんな素材が使われどんな形状をしているかによって、そのヘアブラシの性能のほとんどが決定されるといっても過言ではありません。
〈台座の素材・形状〉
- 台座が柔らかいゴム製(中が空洞になっている)
- 台座が柔らかい素材(シリコーンなどクッション性のあるもの)
- 台座がしっかりと硬い素材
「台座」はクッション性が高く柔らかい方が頭皮と髪にかかる負担が小さくてすみます。
ただし、台座が硬くてもピン先に工夫がしてあり、柔らかいものならば負担は軽減されるでしょう。
〈ピン先の素材・形状〉
- ピン先が「竹製」「木製」になっている
- ピン先が「球状」になっている
- ピン先の素材がシリコンや柔らかい樹脂製
- ピン先に「すべり加工」がされている
これらのピン先は、すべて頭皮と髪にダメージを与えず頭皮を優しくマッサージすることができるタイプです。
竹製や木製などは心配ありませんがシリコンやゴム、樹脂製などは「静電気」を帯びることがあり、それも頭皮と髪に負担をかける要因になります。
頭皮の健康のために考えられたブラシならば、「静電気防止加工」がされているものが多いので、天然素材系を使う場合以外には注意して見ておきましょう。
これらの要素を複数持つ高機能なヘアブラシも存在します。
ひとまとめに要約すると「頭皮と髪にダメージを与えない構造のヘアブラシ」ということになります。
抜け毛予防に効果的なヘアブラシの選び方
抜け毛と薄毛改善に、意外に大きな役割のあるヘアブラシですが、どれを使っても良いというわけではありません。
ヘアブラシは安いものならば100円ショップでも売られていますが、そういったものはあまりおすすめできません。
低価格のヘアブラシは、あまり頭皮の健康のことは考えられておらず、頭皮環境に害のあるブラシも少なくありません。
前項で挙げたような、ヘアブラシのメリットを活かしたいのであれば、次のような条件に合うものを選択しましょう。
- 天然素材を使っている(竹や木など)
- 先が尖っていないもの(ピン先が球状のものがある)
- 適度な柔らかさがあるもの(とくに台座が柔らかいもの)
- 全体が幅広のもの(パドルブラシ)
- 静電気防止加工の施してあるもの
もっとも注意してみるべきところは「全体の幅の広さ」と「台座の柔らかさ」「ピン先」です。
現在、プラスティック製の安物を使っているならば、先が尖っていたり、硬すぎたりして頭皮を傷つけている可能性があります。
頭皮保護の目的で作られたヘアブラシならば、ピン先が「球状」になっていたり、頭皮に触れても傷がつかないような柔らかい素材が使われています。
そして「台座」にも注目してみましょう。
台座が中空の状態になっていて、クッション性が高いものは、無駄な力が吸収されて、髪にも頭皮にも優しいです。
これらの抜け毛や薄毛の改善につながるヘアブラシは、「幅広」の形状のものが主流です。
ブラシの幅は細くなるほど力が集中して髪と頭皮を傷つけやすくなるからです。
こういったものを「パドルブラシ」といいますが、カヌーのパドルのような形をしているところからネーミングされています。
また、プラスティックのヘアブラシは、静電気を発生させて髪をからまりやすい状態に陥らせたり、静電気のスパークで毛根を傷つけてしまうということもあります。
頭皮の保護と育毛を目的としたヘアブラシならば、まったく静電気が起こらない竹製や木製、またABS樹脂などに「静電気防止加工」がされているものもあります。
こういった条件を備えたヘアブラシならば、逆に頭皮に当てて”マッサージ”するようにブラッシングすると、血行を促進し、それが「薄毛ケア」となります。
では、ヘアブラシの購入方法やお手入れ(掃除)のしかた、また使う回数やタイミングなども熟知しておきましょう。
間違った使い方では抜け毛が増えることもある
女性ならば誰でも使うヘアブラシですが、間違った使い方を続けていると、それが抜け毛や薄毛の原因になるここともあります。
強くブラッシングし過ぎたりすると、髪が途中で切れてしまったり、大切な毛根に強い力をかけてしまい、ダメージを与えることもあります。
また、髪をとかすためのブラッシングで、反対に髪がからんでしまうということも少なくありません。
また、抜け毛・薄毛が見られる女性ならば、「コーム(クシ)」ではなく「ブラシ」を使うことをおすすめします。
何気なしにしてしまうブラッシングで、抜け毛薄毛の原因を作らないことが大切です。
抜け毛を防ぐヘアブラシの正しい使い方
ヘアブラシを正しく使って、抜け毛を防ぐ方法を覚えておきましょう。
〈ヘアブラシの正しい使い方〉
- ブラッシングの前に髪を水で濡らす
- ウェーブやロングの髪型でからまりが強い場合には「毛先から」ブラッシングを始める
- ある程度髪がとけたら、最後に髪の根本から毛先へと優しくブラッシングをする
ブラッシングの前に水スプレーなどで髪を濡らすと、髪がほぐれやすくなり、静電気の発生も抑えられます。
そして常に「優しくとかす」ということが基本です。
また、低価格なヘアブラシでは厳禁ですが、高機能な育毛効果のあるヘアブラシならば、「マッサージ」の目的で、頭皮をブラッシングしましょう。
頭皮を優しくマッサージすることで血行がよくなり、頭皮の新陳代謝が活性化し、髪の発育を向上させることができます。
ヘアブラシはどこで買えるの?
ヘアブラシはドラッグストアなどでどこにでも手に入りますが、機能性の高いものとなるとやはり「ネット通販」がおすすめです。
価格的にも割引がされていますし、”どんな材質が使われているか”などの、「スペック表」が見られるのもネット通販購入のメリットです。
大手ネットサイトでは口コミなども寄せられているので、長期間使用した際の品質なども確認することが可能です。
多くの女性が、ドラッグストアで目についたヘアブラシを深く考えずに購入しがちですが、頭皮の健康と育毛のために、ヘアブラシの選択は慎重になるべきです。
ヘアブラシの掃除方法は?
自分に合った良いヘアブラシならば長年愛用することになりますから、掃除方法も知っておきましょう。
ヘアブラシの掃除方法は「ピン先の素材」によって異なります。
シリコン・ゴム・樹脂製
シリコンやゴム・樹脂製のピン先ならば、掃除方法もかんたんです。
まずからまった髪を取り、洗面器などに石鹸・シャンプー・洗剤などをぬるま湯で溶かして1時間くらいつけておき、水洗いすればきれいになります。
竹製・木製などの天然素材
竹製や木製などはあまり長時間水につけてしまうと、割れたりヒビが入るなどのトラブルがあるので、注意が必要です。
軽くお湯で洗うか、アルコールをつけた綿やティッシュで拭き取るとよいでしょう。
汚れがひどい場合には、使わなくなった歯ブラシを使ってアルコールで磨き上げるのもきれいになる方法です。
ヘアブラシを使う効果的なタイミング、回数は?
ヘアブラシを利用することで薄毛改善に役立てるならば「タイミング」にも注意することが大切です。
ヘアブラシのマッサージ効果を期待するのであれば、「頭皮が乾いている状態」に行うようにしなくてはなりません。
頭皮を含む人の皮膚組織は、水に濡れてると非常に傷つきやす状態になります。
ですから、以下のようなタイミングにヘアブラシを使うようにしましょう。
〈ヘアブラシを使うタイミング〉
- シャンプー前
- シャンプー後にドライヤーで髪と頭皮が乾いた状態
- 就寝前
頭皮を傷つけない高機能なヘアブラシを使うならば、頭皮へのダメージはほとんどありません。
「毎日夕方と就寝前の2回」くらいブラッシングをするようにしましょう。
こうすることで、頭皮を傷つけず血行促進のためのマッサージ効果を得ることができます。
何気なく使っていたヘアブラシですが、意外に注意しなければならないことがたくさんあることに驚かれたかもしれません。
ヘアブラシの選び方と使い方によっては、頭皮の健康と髪の成長に対して「善にも悪にもなる」ということを、しっかりと認識しておくことが大切です。
〈まとめ〉
- ヘアブラシは「形状」によっていくつかの種類がある
- ヘアブラシは「素材」によっていくつかのタイプに分類される
- ヘアブラシはドラッグストアではなく「ネット通販」での購入がおすすめ
- ヘアブラシは「材質」によって掃除方法が違う
- ヘアブラシは「頭皮が乾燥しているタイミング」で1日2回行うと良い